映画「眼には眼を」
1957年フランス映画
アンドレ・カイヤット監督
勤務時間外の医師が診療を断ったことで妻を失った男の壮大な復讐劇
ストーリー展開はわかりやすかったです。前半は医師と男の関係性のみを描いています。男の意図がわからない行動もすべて計算だったとわかってから最後の復讐劇につながるのですが、復讐中に男が感情をぶつけるというアクセントもありました。
この男は中東人で医師はフランス人なのですが、異文化人が何を考えてるかわからないといった怖さが全編にわたってうまく表現されていました。
復讐方法は、砂漠をさまよわせるという斬新なものでした。ラストで絶望を表現したかったようなのですが、いまひとつのように思いました。砂漠をさまよう生き地獄よりも餓死が先だと、展開からどうしてもそう考えてしまいました。
しかしラストはあれ以外にありえないとも思いますので、生きながらえるくらいの食糧を見つけるなりの描写があればなおよかったかなと思いました。