映画「ロリータ」

スタンリー・キューブリック監督

1962年アメリカ映画

 

ある娘に恋した中年男が娘と親密になるためにその母親に近づくことから始まる偏愛ストーリー

 

まずみて感じたことは、キューブリック監督でこの映画内容である割に、性描写が全くないということでした。

これに関しては時代的なものということでしたが、どういうことなのでしょうか。わかりませんが。

 

主人公の男は中年で恋に落ちた相手は14歳の少女という、一般的には異常と思われるような愛というのが本筋でした。しかし主人公の愛、愛情表現は純情を感じさせるものであり、そこがこの映画の魅力だと思います。イギリスのコメディアンであるピーター・セラーズ演じるキルティという饒舌で不気味なキャラもまた魅力的でした。まさにキューブリックの映画っぽい人物です。調べてみるとやはり「博士の異常な愛情」では主人公に選ばれていました。

内容でいうと、ばれてほしいがための日記を綴ってみたり、口酸っぱく行動を制限させたり、それでいて暴力、性暴力的なことは一切せず相手の気持ちを尊重しようとするところなど。冒頭の射殺シーンにしてもその純愛ゆえの行動の一つに過ぎないとさえ感じました。

 

結局主人公の恋が実ることはなかったのですが、最後まで自分の愛を貫いた様に、いろいろな愛の形があっていいのではないかと訴えを感じました。時代的な制限があるということがよりそう感じさせます。