映画「12人の怒れる男 評決の行方」

ウィリアム・フリードマン監督 1997年のテレビ映画

プライムタイム・エミー賞受賞

 原作「十二人の怒れる男」rと同じ脚本で描かれている

 

ある裁判の陪審員審議だけをまるまる映画にしたような作品で約2時間に及ぶ審議になっている

またメッセージ性も帯びている

 

アメリカの陪審員制度は12人での審議の後、全員一致が原則であり意見が割れた場合はメンバーをかえて審議をやり直すそうです。

そのため明らかに審議不足なのに、早く終わらせたい、あるいは人種差別的な固定観念をもった何人かの陪審員が結論を急ぎ11人が被告有罪に賛成するが、一人の男がその吟味の甘さにロジカルに立ち向かい、徐々に流れがかわっていくというお話でした。

 

1954年のテレビドラマから始まり何度かリメイクされている作品なのですが僕はまだこの作品しか見ていません。

全編117分で全て審議の様子を描いているので、自分がその審議を傍聴しているような感覚でした。陪審員が議論し合い、煮詰まったら裁判官が休憩を提案するという流れを繰り返していくのですが、休憩から休憩までが全てワンシーンワンカットだったのがとても斬新に思えました。観る側にとっての休憩という意味もこめていたのでしょうか。

クールな主人公もこの映画の魅力の一つに思えます。自分が正しいと思うことを論理的に説くことのかっこよさに感動しました。